小路口力恵


小路口力恵(富山・ガラス)について

作品制作のコンセプトは『やさしく、やわらかく、ここちよい。』
心に素直にスッと心地よく入ってくる作品を創り出したいと思っています。
心が穏やかに優しくなれる作品。心地よいと感じられる作品。私が作品づくりで大事にしていること、大事だと感じることは五感の中の視覚、触覚、聴覚。
視覚はもちろん必要ですが、私にとって同じくらいに触覚も大事。
聴覚も、いろんな情報を伝えてくれる大事な感覚です。
手で感じ、手で視ることは大切なことであり私の作品制作に欠かせない感覚です。
眼では見落としてしまうことも手で視ることができます。
こんなふうに感じられたのは、父方の祖父母が全盲だったからなのではないかといつの頃からか思うようになりました。
視覚の代わりに活かされる感覚。
見えないからこそ五感の中の視覚以外をフルに活用し生活する姿が身近にあったことは、今の私に繋がっているはずです。
『手で視る。』は、私にとって作品制作の要となっています。
吹きガラスのみで仕上げるのではなく、加工によって自分らしい作品に仕上げていくことは、私にとって自然な制作スタイルであり、その時間は大変ではありますが充実した制作時間です。
手で触れ、手で視ながら創ることを求め、この世界に飛び込んだ私。
最初は、モノ造りがしたくて素材としてガラスを選びましたが、今はガラスと言う素材があるからこそ私の作品が創りだせるようになっています。
文:小路口力恵