割り切れぬ記憶


天灯鬼、竜灯鬼という対の彫刻が日本にはある。仏の足元を照らす灯篭を1000年以上担いでいる。こうした仏の眷属のいくつかは、かつて仏教とヒンドゥー教などその他の宗教との軋轢や習合の際、象徴的に仏教に取り入れられたと考えられている。いわば敗者として従わせられていると言っても良い存在である。

ただこの彫刻には力強い生命力に満ちている。生き生きと、でもそことなく哀愁すら漂っているその姿はツノが生えて居ようと、牙が飛び出て居ようとそこに立っているひとのようだ。

それら眷属がどういう想いで1000年に渡る苦役を耐えているのか?そこに何を抱えているのか?
この絵で担いでいるのは「素数」。
割り切れない数字を担いでいる彼らはどんな想いと記憶を持っているのだろうか?

1面
size:H400×W200
price:¥23,000(税込)